2016年05月21日

AMEKAJI x WATCH 8 ≪ローレックス セミバブルバック≫

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1950年頃製造 オイスターパーペチュアル Cal.645
通称:セミバブル

僕は、ROLEXを「ロレックス」と言えない。それは「ローレックス」なのであるから。もともと「ローレックス」と呼んでいたものを1970年代後半に輸入代理店が「日本ロレックス」と称したのだ。日本以外の国では「ロウレックス」と発音されている。であるから僕はあえて「ローレックス」と表記しよう。
さて本題へ。
僕のコレクションの対象は、その「日本ロレックス」の設立以前の時計である。そして自動巻きである。(ローレックスの特徴の一つは自動巻きだからだ)
1936年キャリバーNA、1950年キャリバー645、1950年代キャリバー1030、1961年キャリバー1530〜1560。1963年キャリバー1520〜1965年1570である。

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キャリバーNA(写真右は自動巻きユニットのカバーを外したところ)。

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キャリバー645(写真は自動巻きユニットのカバーを外したところ)。

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キャリバー1030

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キャリバー1570

今回紹介するのは1950年製造のオイスターパーペチュアル:キャリバー645通称セミバミブルである。
1936年に開発されたキャリバーNAは、手巻きのムーブメントに自動巻きを後から追加したため、ケースが厚くなり裏蓋が泡のように膨らんでいるのでバブルバックと呼ばれていた。

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1940年頃製造 オイスターパーペチュアル Cal.NA
通称:バブルバック

キャリバー645はキャリバーNAを少しでも薄く改良しようとした。少し薄くなったのでセミバブルバックと呼ばれている。

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1950年頃製造 オイスターパーペチュアル Cal.645
通称:セミバブル

NAは3本のネジで自動巻き部分を外さないと時間調整や天府の状態を見ることが出来なかったが、645は部品を外さなくても調整が出来るように改良されている。
薄くするため自動巻きの伝えバネの構造がことなるので、未熟な職人が修理するとバネが破損してしまう。そのせいか製造期間は短かった。
現在、アンティークショップで売られているセミバブルの殆どが4ヵ所あるうちの何枚かの自動巻きの伝えバネが破損しているのが現実。・・最後は手巻きになる。
その後Cal.1030を開発。そしてCal.1570と完成されていく。

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このセミバブルは完璧な状態。精度も良くほんの数秒の進み遅れを繰り返しているだけで、要するにピッタリ合っていて一週間毎日していても時刻合わせは必要ない。
一見するとバブル期の象徴である金無垢のROLEX(ロレックス)に見えてしまうので、革ベルトですることが多い。
実際は、金無垢ではなく金張りである。

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ケース裏はステンレス。

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ブレスも金張りでバックルはステンレス。

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ローレックスは後発の会社で一般大衆向けのメーカーである。No2で述べたように高級時計メーカーに追いつこうとして少しでも高級感を出すために、ステンレスと金のコンビを発売したり、このように金張りも数少ないが製造していた。(金メッキと違い殆ど剥がれる事はない。)

キャリバー645は、優秀なムーブメントのキャリバーNAと1030の狭間にあり、欠陥ではないが実際60年以上経った今、完璧な状態のムーブメントは数少なく、超希少と言ってもいいだろう。60年代になると1520が開発され1570へと完成されて行くが、文字盤のデザインは一定の物しかなくなる。

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こういう味のある針、インデックス、黒文字盤と現行品では見ることが出来ない良い雰囲気だ。当然オールドアメカジスタイルに完璧にマッチする。しかも金張りと、かなり少数しか製造されていない。短命に終わった「セミバブルバック」は、ローレックスの歴史を感じさせる希少な逸品である。

           写真提供:太安堂本店
           参考文献:ムーブメントから見た時計の発展史 栗崎賢一
           構成・文:YASUO 編集:沖津雄斗
posted by Amekaji-fan STAFF | AMEKAJI x WATCH