2016年01月30日

Jaeger leColtre《半回転自動巻》  AMEKAJI x WATCH 4

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この『AMEKAJI x WATCH』のタイトルで本やオンライン書籍を制作することは僕の関連会社の一つに商標登録されていて、僕の思うことを自由に書いていますが間違ったことは書いていないつもりです。商業的な時計の記事を否定する訳ではありませんが、本当にアンティーク腕時計を愛する人のために自分自身が知っている範囲で、今後も書き続けていこうと思っています。そんなわけで、第4回目はJaeger leColtre(ジャガールクルト)の半回転自動巻きの話です。

Jaeger leColtre インジケーター Cal.481

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Jaeger leColtre フューチャーマチック Cal.497

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Jaeger leColtre メモボックス Cal.825

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≪インジケーター 1948年製造開始≫

1930年代頃発明された自動巻は、ローレックスを含むごく一部のメーカー以外のほとんどがその採用を見合わせたのは、本当にゼンマイが腕の動きで巻き上げられるのかという不信感があったからである。手巻き時計なら一日一回巻けば確実に三十時間以上動く。このような自動巻腕時計への不信感を一掃したのがこの時計である。
文字盤の12時の下にある扇型の窓(インジケーター)に数字が表れる。「0」はゼンマイの残量がないことを意味する。十時間までは赤く塗られていてもうすぐ時計が止まりますよと警告している。最大の数字は「40」で、四十時間動くことを示している。

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このようにジャガー・ルクルト社は本当に巻けていると言わんばかりに不安なユーザーに対して文字盤の窓に残時間を表示しました。

1950年代に入ると全回転自動巻が開発され、どのメーカーも全回転自動巻に推移したのに対して、ジャガー・ルクルトのキャリバー481は性能がよく長期にわたって製造され続けました。
インジケーターは直径33.5ミリで、手首にちょうどいい腕時計の理想の大きさです。

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防水ケースなのでやや厚みがあり、それがまた全体のフォルムとしてかっこいい。

ワークシャツの袖から除く姿やジーンズ、オーバーオールなどの服装に似合います。

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半回転自動巻、特にインジケーターは腕の上でローターがバネではね返る振動が伝わってきて機械式腕時計をしている実感がわいてきますし、心地よい感触です。

≪1952年製造 フューチャーマチック≫

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黒文字盤のフューチャーマチックは、革のフライトジャケットにピッタリはまります。
横須賀大安堂本店で購入した当時、この時計がしたくてA-2とA-1を交互に着ていた事をはっきり覚えています。A-2、A-1は春、秋の時季に半袖Tシャツと合わせると丁度いいですね。A-2はスティーブ・マックイーンが映画『大脱走』で小さめなサイズを着ていて、それがかっこ良く・・僕は、普通ならサイズ36ですけど、34を着ています。

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THE FEW A-2 Roughwear

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TOOLS A-1

THE FEWのA-2 Roughwearを、横浜の元町にあるJunky classicsで購入したときのことですが、サイズ34とやや小さいので初めはかなり着にくいことは分かっていましたのでスタッフの大木君に入荷次第しばらく着ていてくれと頼み10日間ぐらい通勤時も昼寝をする時も着てもらい少し馴染ませてもらいました。

1950年代初めに登場したフューチャーマチックは手巻きのゼンマイを使用しています。手巻きの時計はゼンマイがいっぱいに巻けるとリューズがロックされてゼンマイが切れないようになっていますが、自動巻の時計はスリップさせてゼンマイが切れるのを防いでいます。しかしジャガー・ルクルト社は自動巻ローターをロックさせる思いもよらぬ方法を考えて他社ではできなかったトラブルを解決しました。

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文字盤の3時位置にあるダイヤルは秒針。9時位置にあるダイヤルはPOWER- RESERVE(パワーリザーブ)でインジケーターと同様にゼンマイの残時間を表示している。

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また、平たいリューズを裏蓋に付けているので一見するとリューズが無いように見える等フューチャー(未来)的な腕時計であります。

≪1957年頃製造 メモボックス Cal815≫

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1956年から製造開始された半回転式自動巻アラーム時計。アラーム時計としてNo.1
の腕時計です。ケースの大きさが直径37mmあり、通常29mm〜34mmが常識の時代としては相当大きく感じられたと思います。世界初の自動巻アラーム時計としては止むを得ないと思いますが、40mmを超える最近のバカでかい腕時計みたいにおかしくはありません。最近の腕時計とは違い文字盤の外径から中央に向かって盛り上がっており曲線を描いた風防も文字盤に合わせて同じ曲線を描いているところなど、見ていて飽きないラインです。さすが、特殊時計の分野ではナンバーワンのジャガー・ルクルト社の世界一のアラーム付腕時計です。

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アラーム付なので多種多様な使い分けが出来、合わせる服はスーツから作業着までOKだと思います。
実際に僕もメモボックスをする時は服を選びません。ただ少し高級感が感じられます。しかし60年近く経ちますので程よく文字盤が焼けていて高級感を緩和しています。

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ジャガー・ルクルト社の半回転式自動巻きは、後に開発された全回転式自動巻よりも性能が良かった為長期にわたり製造された。
特筆すべきは多くの優秀な自社ムーブメント製造メーカーが1970年代を境に、自社での機械式腕時計の製造に終止符を打つのに対し、ジャガールクルトはその後があることである。1996年に発表された「マスター・メモボックス」は、キャリバー489(1950年代手巻き式ムーヴメント)をベースとしながらアラーム付腕時計として初めて、通常の3倍のクロノメーター規格になっていること。アラームのピンに代わり複雑なリングを採用して美しい音色を出していることなど、ヴァレー・ド・ジュウ(ジュウ渓谷)の時計職人たちの、機械式時計全盛期である1960年代にタイムスリップしたかのような技術力には驚きを禁じ得ない。

1万円でも100万円でも大差がないクォーツの腕時計は夢がなく1960年代ぐらいまでの機械式腕時計の優秀なものであれば数年に一度のオーバーホールだけで100年持ちます。
電波時計は時刻合わせだけに利用しています。日常の生活では日差が0.3秒とかそんな正確さは必要ないと思います。体の一部に付けていて人間の一生涯よりも長く動き続けるのは機械式腕時計しかありません。 by やすお


         写真提供:大安堂本店
         参考文献:機械式時計の名品・淡交社 著者 栗崎賢一
          文  :YASUO 編集:沖津 雄斗
posted by Amekaji-fan STAFF | AMEKAJI x WATCH